9月タバコ販売本数
日本たばこ協会は2011年10月14日、2011年9月における紙巻きたばこの販売実績を発表した。それによると9月の販売実績は169億本となり、前年同月比で54.9%の減少を見せることになった。販売代金は38.2%減の3506億円。昨年9月に発生した、値上げに備えた「特需」の反動が顕著に表れており、ややイレギュラーな動きを見せる結果となった。
2010年9月に発生した、たばこの値上げ前の「駆け込み特需」はグラフを見れば一目瞭然だが、それと同じレベルで「特需反動」の特異性も目立つ形となっていた。その後発生した東日本大震災で、【JT、たばこ全製品の出荷を3月30日から4月10日まで停止・以降は銘柄限定で量産】や【JT、4月11日から出荷再開のたばこ7銘柄を発表】などで解説しているように、出荷種類・本数の大規模な制限がかかり、値の回復にブレーキをかける形となった。それらアクシデントも乗り越え、昨今の販売本数減少分はすでに次の段階、つまり「単価値上げに伴う消費量の減退」と見るべき状態にある。
ただし今年2011年の8月以降は、昨年2010年の10月の値上げに伴う「8月・9月の値上げ前のまとめ買いによる売上増」「10月以降の値上げによ る、またはまとめ買いしたたばこの消費による売上減」と比較するため、前年同月比を換算する際には、その「歴史的背景」を念頭におかねばならない。
今回発表の9月分では8月と比べると大きく勢いを減じている。元々毎年8月〜9月は販売実績が減る傾向にあるが、昨年9月は値上げ前の駆け込み需要の影響 が大きく出ており、昨年8月より猛烈な増加の動きが確認されている。今年9月の販売本数が(前年同月比で)極端なマイナス値を見せたのも、主要因はその反 動。
いつものように本数と売上の関係を計算するため、いくつかの数字の確認を行う。今回の値上けでマイルドセブンの価格は300円から410円へと36.7% の上昇をしていることから、この値上げ率で全体の数字を当てはめるとして、売上本数はマイナス54.9%、よって試算で売上高は38.35%のマイナス (1.367×0.451)となる。一方で実際の販売代金の減少分は38.2%であり、両者はほぼ一致する。誤差がほとんどないのは、高めの銘柄への選択 変更が行われなかったことによるものだろう。
以前の値上げ後のたばこのセールス動向を見ると、今般と同じように「本数減以上を価格増で補い、売り上げはプラスとなる」動きはあるものの、「次第に売上 も落ち込みはじめ、じきに前年比マイナスとなる」という流れを見せていた。今般は値上げ幅が大きいためプラスの状態が長期化している、そして先月あたりか ら続いている「値上げ直前・直後の大きな動きへの反動」もあるが、もうしばらく経てば売上「の前年同月比」も継続的な減退に向かうのではないかと思われ る。ただし次月はちょうど一年前が特需反動による大幅減だったので、大きく「跳ねる」ことが予想される。
ちなみに一昨年と比較した場合、本数はマイナス15.1%・売上はプラス16.1%。値上げ効果がじわりと効いている雰囲気は十分に見受けられる。電力使 用制限令が解除された(=自販機の節電も終了する)あとも8月同様の動きを見せており、自動販売機による「販売全体への」影響はほとんど無いと見て取れよ う。





